デンマークの治安情勢

1.年間犯罪件数

 2007年のデンマーク治安当局統計によると、2007年の犯罪認知件数は444,773件であり、2006年と比較して、19,668件増加しています。
国によって統計の取り方が違いますので一概に言えませんが、犯罪に遭う確率(犯罪発生件数を総人口で比較、人口÷犯罪認知件数)は、日本の5倍以上になります。デンマークは総人口543万人で犯罪認知件数が44,773件であり、12人に1人の割合で犯罪に遭遇していることになります。これに対し、我が国は総人口が1億2,700万人で犯罪認知件数が1,908,836件であり、66人に1人の割合です。

2.治安状況

(1)治安・社会情勢

欧州の中でも比較的安定しているといわれていますが、移民問題に関連した青少年不良グループ間の抗争事件やアルコール中毒、麻薬の乱用に絡んだ犯罪が後を絶ちません。また、銃器を使用した事件が増かしています。

特に観光シーズンは、外国からプロの窃盗グループが入り込み、空港、駅、ホテル等で旅行者が盗難の被害に遭うケースが頻発します。また、日本人は多額の現金を持ち歩く傾向があると見られていることから、日本人旅行者を狙ったと思しき盗難被害が多発しています。さらに、コペンハーゲン市内のクラブや街頭で麻薬の密売が行われている場所もありますので、犯罪の巻き添えにならないよう、十分に注意してください。

(2)日本人の犯罪被害と防犯対策

大使館で把握している日本人の犯罪被害のほとんどが、一瞬の隙を狙った盗難ケースであり、被害の発生場所としては、コペンハーゲン市内のホテル、空港・駅構内、空港~コペンハーゲン中央駅間の列車内が挙げられます。海外出張慣れしているビジネスマンの被害も相当数発生しています。よって、外出時は「常に狙われている」という防犯意識が必要です。

◎日本人の主な被害事例は次のとおりです。

○ 駅のエレベーターを降りる際に 5 ~ 6 人の男に囲まれ、強引にバッグを奪われた。

○ 駅構内を歩いていたところ、男に「上着に何かついている。」と指摘されたため、慌てて衣服を確認しているところを、 4 ~ 5 人の男に囲まれ、ショルダーバックから貴重品を抜き取られた。
(類似事例:衣服にジュースなどの液体をかけられたり、小銭を前にばらまかれたりして、ジュースを拭くため、または小銭を拾うために荷物から手を離した隙に、共犯者と思われる者に荷物を盗まれた。)

○ ホテルのビュッフェ形式の食事の際、料理を取るために席を離れた隙にテーブルやイスに置いていたハンドバッグ、鞄等を盗まれた。

○ ホテルのフロント、ロビー等で話をしている隙に、わずか数十 cm しか離れていないカウンターや床上に置いていた荷物を盗まれた。

○ ホテルの部屋を施錠して朝食に出掛けたが、帰室後にロッカーに掛けておいた背広のポケットから財布等がなくなっていた。

○ 空港でトランジットのためにカートで荷物を搬送中に、声を掛けられた隙に、貴重品の入ったカバンがなくなっていた。

○ 空港から駅に向かう列車内において、荷物を網棚へ載せる作業を相席の男に手伝ってもらったが、その男が下車した後に網棚を見たら荷物がなくなっていた。

○ 空港で、四方から乗降客らに押されながら列車に乗車し、発車後に所持品を確認したところ、バック内のファスナーが開いており、財布やカードなど貴重品がなくなっていた。

○ チャーターバスから乗船する際、バス座席に自身の手荷物を放置したまま、スーツケースなどの大型荷物の移し換えを手伝っていた。その時、見知らぬ車両がバス横に停車し、同車両助手席の人物がバス内に侵入し座席に放置された物をすべて窃取し、乗り付けた車両で逃走した。

○ 飲食店のカウンターで、バックを脇に置いてビールを飲んでいたところ、店外で大声がしたので 2 ~ 3 秒そちらに向いた隙にバックがなくなり、横に座っていた男もいなくなっていた。

○ 洋服店で精算のため友人とバック内から現金を取り出し合って支払いを終えて店内の人込みを通過して出たところ、バックにいれていた財布類を窃取された。

◎防犯対策は次のとおりですが、犯罪が凶悪化し巧妙化が進んでいること、犯人は、一瞬の隙を狙っていることを常に念頭に置き、以下を参考にしつつ「隙を見せない」、「隙を与えない」といったことを心掛けてください。また、多額の現金を持ち歩かない、貴重品は分散して身に着ける、携帯品は不用意に身体から離さない、宝石等の貴金属類は極力身に着けないなどの防犯対策が肝要です。さらに、麻薬の密売など、犯罪の巻き添えにならないためにも、興味本位で見知らぬ人などと接触することは避けてください。

○到着時の空港におけるターンテーブルからの荷物引き取り時、両替時、トイレ利用時などにも、手荷物を身体から離して放置せずに必ず手を添えておくようにする(目の届かない足下に置くと、置き引きに遭う可能性が高くなる)。
(また、ホテルにおけるチェックイン及びチェックアウト時、両替時、さらには買い物時などでも、同様の注意が必要)

○ 貴重品(現金、パスポート、航空券等)は、信頼の置けるホテルであればセーフティーボックス等の安全な場所に保管して、持ち歩く場合には必要最小限に止めるようにする。また、宝石等の貴金属類は極力身に着けないようにする。
  なお、止むを得ず貴重品を持参する場合などは、不用意に身体から離さず、分散して携行する(不注意(置き忘れ)や盗難による全ての紛失を回避するため)。

○ ホテルでの朝食時やビュッフェ形式のレストランなどでは、置き引き被害が頻発しているので、料理を取りに席を離れる際でも、テーブルや椅子の上に手荷物を放置しないようにする。

○ 犯罪者は現金所持者を物色しているので、人前で現金を安易に見せびらかさないことはもとより、商店での支払い時などでも、財布内を他人から見られないようにする。また、財布をしまう場所を見られないようにする。

○ 旅行者の衣服にジュースやケチャップを付けたり、旅行者の近くで小銭を落として、旅行者の注意を引き、その隙にその仲間(あるいは本人)が、置き引きやスリを働く手口があるので、自分の周りで何があっても、常に自分の手荷物に注意を払うようにする。

(3)テロ・爆弾事件

デンマーク国内においては、1985年7月に発生したノースウェスト・オリエント(North West Orient )航空事務所前での爆発事件(死者1名、負傷者16名)以降、大規模なテロ事件は発生していません。

 しかしながら、2006年9月に、デンマーク警察は、デンマーク国内で爆発物を使用したテロ攻撃を計画していた容疑により、容疑者9名をオデーセン市で逮捕しました。2007年9月には、爆発物製造によるデンマークへのテロ攻撃を企てたとして容疑者8名をコペンハーゲン市で逮捕しました。

 また、2008年2月、デンマーク警察は、2005年9月にユランスポステン紙に掲載されたモハメッド風刺画作者の殺害計画容疑で3人をオーフス市で逮捕しました。デンマークの各紙は、連帯して表現の自由のために戦うとして、暗殺対象となったイラストレーターによるモハメッド風刺画を再掲載しました。これに対し、イスラム諸国では、反デンマーク抗議が行われ、3月にはアル・カーイダ指導者とされるウサマ・ビン・ラーディンによる風刺画問題への報復を示唆する音声声明がインターネット上に掲載され、6月2日には在パキスタン・デンマーク大使館を標的とした自爆テロ事件が発生しました。

 治安当局は、テロ防止を目的とした警備強化を継続実施するなどして対応している情勢にあります。

 テロ事件が発生する可能性も排除されないことを念頭に、最新の関連情報の入手に努め、安全確保に十分留意する必要があります。

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