大使のサイト
復興に向けて
3 月 11 日、宮城を中心とする東日本を未曾有の大地震と大津波が襲い、史上類を見ない災害を引き起こしてから早くも 1 か月が経ちました。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。
外交官という仕事柄、日本を離れることが多いため、今回のデンマーク赴任にあたっても、日本に万が一何かが起こってもすぐには駆けつけられないと思って着任しました。しかし、このような大災害が起こり、一瞬にして多くの方々の命が奪われ、家が消え、市町村さえも消えるという状況を映像で見て、文字通り「言葉を失い」ました。
地震発生直後にマルグレーテ2世女王陛下、ラスムセン首相及びエスパーセン外務大臣より心温まる書簡を頂き、日本の被災に対する弔意の大きさと温かい心遣いに感銘を受けました。また、 21 日ラスムセン首相から会談の申し入れがあり、直接日本及び日本国民への弔意と激励のメッセージを頂き、同時に約 23,000 枚の毛布の提供もありました。原発での災害援助のため EU から派遣された原子力専門家チームに最大の貢献をしているのがデンマークであり、APムラー・マースク社からもいつでも同社の船を支援活動のために提供するとの申し出も受けました。また、数多くの企業・団体から 義援金・支援物資の申し出があり、在京デンマーク大使館が集めた募金を東松山市の子ども達に届ける等積極的な支援活動に動いてくれています。これら自発的な活動を思うとデンマークと日本の強い絆を感じます。 デンマークの日本の原発事故に対する対応が比較的落ち着いたものであることも留意するべき点だと思っています。
今回の地震発生以来 デンマークでも連日日本の様子が報道され、多くのデンマーク人の方々、在留邦人の方々も日本を支援しようと立ち上がっています。犠牲者の方々に対する弔問記帳・学生達によるキャンドルサービス、被災者を支援するための募金活動、チャリティコンサート等、様々な活動が開催され、多くの方々が参加してくださっていることに対し、心よりお礼を申し上げます。実際、人々は「家を失い、家族を亡くしたにもかかわらず日本人が変わらず謙虚さを見せ秩序ある行動をとっているのは、驚異であり、賞賛に値する」とか、痛みを分かち合おうと被災者に寄り添う姿に「‘ Tsunami ‘が国際語であるならば Kizuna も国際語にしたい」等と励ましの言葉を頂いております。
そのような温かい支援を得ながら、今後日本は政府・国民が一丸となって被災者の方々への支援、復旧・復興、福島第一原子力発電所の安全確保等に全力を挙げなければなりません。私たちも最大限自分たちができることをし、支援の輪を広げていきましょう!
尚、トップページでもご案内差し上げておりますが、震災に関する情報は随時更新しておりますので、ご覧ください。当館としても引き続き情報の発信に努めて参ります。
・総理官邸(今次災害に関する情報全般): http://www.kantei.go.jp/saigai/index.html
・外務省(諸外国からの支援状況等): http://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/index.html
・文部科学省(各地の放射線のモニタリング情報,学校における被害情報など): http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/index.htm
・原子力安全・保安院( NISA ): http://www.nisa.meti.go.jp/
・気象庁(余震活動の状況,被災地の気象状況など): http://www.jma.go.jp/jma/index.html
再度皆様の温かいご支援とご協力に心より感謝申し上げます。
在デンマーク日本国大使
佐野 利男