大使のサイト

令和4年12月1日
Ambassador Miyagawa
日本とデンマークは、外交関係を樹立して150年余。両国は、この間、我が国皇室とデンマーク王室の間の親密な関係とともに、様々な分野で素晴らしい協力関係を築いてきました。

両国がこれまで、それぞれが民主的な政治体制のもとで自由貿易と航海の自由をよりどころに発展してきた事実は、両国が国際社会の根幹の部分において共通の利害関係に立っていることを雄弁に物語っています。先般、発効した日EU戦略的パートナーシップ協定及び経済連携協定の交渉にあたって、デンマークは民主主義そして自由貿易の旗手として、積極的に交渉を推進しました。

また、我が国は、デンマークが社会福祉や再生可能エネルギーの活用の面で独自の政策を発展させてきたこと、優れた農業政策を確立した一方で様々な産業技術の分野で優れた能力を育成してきたことに注目しています。さらに、例えば、昭和32年のクヌッセン機関長の殉難事件に見られるように、日本とデンマークの心と心の通いあった交流が、我々の関係を深いところで強固にしていることを感じます。

これらのことを踏まえると、両国がこれまで以上に豊かな関係を形成することのできる大きな潜在力を有していることに疑いをいれません。
そのためにも、われわれがお互いの歴史、文化や社会、そして人々について、よりよく知ることの重要性が増していると思われます。特に、様々な国際的な展開が既存の国際秩序に対して多くの影響を及ぼしている今日、両国それぞれが、この新しい時代に、こうした挑戦の数々にどのように取り組んでいるのかについて理解を深めることはますます重要といえます。二国間の関係はこうした国際情勢とは無縁ではいられないからです。

折しも、来年の東京オリンピック、パラリンピックを控え、スポーツ、文化面での交流、そして両国の地方同士の交流を進める良い機会が到来しています。私は、大使として日本とデンマークとの歴史ある関係を更に深めることに携わる機会を与えられたことを有り難く思い、また、そのために両国の人々とともに一緒に働いていくことをとても楽しみにしています。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
駐デンマーク日本国特命全権大使
宮川学