気候変動と日デンマーク協力

2020/1/9
1 地球温暖化問題と日本とデンマーク
6月に選出されたフレデリクセン新首相の下、2030年までに温室効果ガスを70%削減するとの目標が盛り込まれた気候法が2月にもデンマーク国会で成立する見通しとなりました。とても志の高い目標です。
 

(10月、首相官邸にて、フレデリクセン首相とグテーレス国連事務総長, 写真提供:デンマーク首相府)
 
日本とデンマークは、国連気候変動枠組み条約締約国会議を京都(1997)とコペンハーゲン(2009)で主催し、また、デンマーク自治領であるグリーンランドにおいて、気候変動に関する北極圏の観測データの収集・研究協力を過去30年近く継続し、更に、両国企業の合弁会社たる三菱重工ヴェスタスによる世界最大級の洋上風力発電所の開発を進めるなど、地球温暖化問題への対応を率先して進めてきました。加えて昨年、日本は、G20大阪サミットで気候変動・環境・エネルギーについての議論を深めました。
 


(グリーンランドでの共同観測・研究, 写真提供:国立極地研究所)

 
2 第25回国連気候変動枠組み締約国会議
2019年12月、スペインで開催されたCOP25に出席された小泉環境大臣は、「我々は脱炭素化に完全にコミットしている」と発言し、2050年までにゼロカーボンシティーの宣言をした日本国内の28都市、4800万人の動き等について紹介されました。また、デンマークの気候・エネルギー・供給相は、風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの取組について発言されました。COP25の成果については様々な評価がありますが、間違いなく、両国は、同じ方向に向かって真剣に努力を重ねています。
 

(写真提供:UNFCCC)

 
3 できることから始める
着任以来、デンマーク官民関係者と気候変動問題について、意見交換を重ねて参りました。コフォズ外相、ローセ外務次官はじめ、デンマーク外務省幹部、キンゴンベ首相府次官補、エーアフス高等教育・研究省次官代行、オッケル保健・高齢者省次官等の政府幹部、そして、ステファンセンDanish Shipping CEO、ベメケKMD(公的部門にITプラットフォームを提供)会長、三菱重工ヴェスタス幹部等民間の代表の方々とお会いすると、開口一番「どうやって70%削減を達成したら良いか分からない」とおっしゃります。初めは戸惑いました。しかし、会う方会う方が、同じように会話を切り出して、しかし、「自分達が取組んでいることはこうである」と真剣に語られ、「日本と一層協力して行こう」と期待を表明されています。
 


 (c)MHI Vestas Offshore Wind
 
東日本大震災からの復興という大きな課題に立ち向かう中で、日本は、中期のエネルギー・ミックスを真剣に検討しながら、これまで培ってきた環境技術、グリーンファイナンス等を最大限活用して、デンマークの人々と共に、地球温暖化問題に真剣に取組み続けて行きます。11月に一時帰国したタクソー=イェンセン在京デンマーク大使は、「東京をはじめ、世界の15大使館が気候変動重点公館に指名された。先ずは大使館でできることから一生懸命始めている」と語ってました。こちらも同じ気持ちです。
では、今回はこのあたりで終わりにさせて頂きます。ねずみ年の本年。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
宮川 学